多くの企業のCSR報告でGHGサプライチェーン排出量が示されるなど,様々なシーンでCO2排出量を求める機会が増えている印象です.CO2排出量は,エネルギの使用量(MJ)にCO2排出係数(t-CO2/MJ)を乗じて算出されますが,都度,エネルギ源のCO2排出係数を調べるのも面倒です.本ページではCO2排出係数を記述した資料を備忘録として示します.
あらゆるエネルギ源のCO2排出係数を理科年表のように網羅した便利な情報源は見かけませんし,学術論文や各種業界団体のホームページなどで限定的な情報を見かけるものの情報源ごとに値が多少違っていて不便なことがあるなか,環境省が運営する温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度の情報が比較的便利です.メタノール/エタノールなどアルコール類の記述がないなど,あらゆるエネルギ源を網羅できてはいませんが,行政の公表値ですし,まずはここから参照すると良いように思います.
【参考文献】算定方法・排出係数一覧(環境省):https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/calc
【参考文献】算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧(環境省):https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/files/calc/itiran_2020_rev.pdf
ただ,環境省や経済産業省などの行政が排出係数として示す値は,tC/GJを単位とする単位熱量あたりの炭素質量で,CO2の質量ではないので注意が必要です.炭素排出係数と炭素換算である旨をきちんと記述すればよいものの,”炭素”を省略し排出係数と記述されますので要注意です.なお,炭素排出係数からCO2排出係数を求めたい場合は,炭素の原子量12と二酸化炭素の分子量44から次式で算出できます.
CO2排出係数 = 排出係数 × 44/12
もうひとつ,米国EPA(環境保護庁)が公表するCO2排出係数を紹介します.SI単位でない点が不便ですが,例えばエタノールなど上記環境省の一覧にはないエネルギ源の記述があるなど,環境省の一覧の補完に便利です.
【参考文献】GHG Emission Factors Hub(EPA):https://www.epa.gov/climateleadership/ghg-emission-factors-hub
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