次の図は,資源エネルギー庁が示している様々なエネルギ源の体積エネルギ密度と質量エネルギ密度です.モビリティ/ファシリティは,図右方のエネルギ源を採用すれば小型に,図上方のエネルギ源を採用すれば軽量にできます.現在広く普及しているガソリンや軽油は図右上にプロットされており,脱炭素化のために他のエネルギ源を採用すれば,大型化あるいは重量化の傾向となります.とりわけ図左下のバッテリ類による電力をエネルギ源とする場合には顕著です.本ページでは,エネルギ密度視座でのエネルギ源とモビリティ/ファシリティの相性について考察します.
【参考文献】エンジン車でも脱炭素?グリーンな液体燃料「合成燃料」とは (資源エネルギー庁):https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/gosei_nenryo.html
バッテリの技術革新は,次の図のように予見されており,2040年頃には現在の液体LiBの4倍もの質量エネルギ密度を有するバッテリが現れるようですが,上図の液体燃料やガス燃料と比較すればエネルギ密度が低く,大勢は変わらないようです.
エネルギ源のエネルギ密度に大勢の変化がないとすれば,将来的な各エネルギ源とモビリティの相性は次の図に示すように理解できます.横軸はモビリティに蓄えられるエネルギで,右方ほどエネルギ密度が高いエネルギ源を採用する必要があり,HDVではエネルギ密度が比較的低いバッテリ類での電動化が困難であることを示しています.本図では水素を燃料とする内燃機関:ICEが検討されていませんが,ICEの熱効率を考えれば,図中の燃料電池の領域をやや右側にスライドさせたイメージになります.
【参考文献】モビリティ/水素分野の技術動向について,第2回グリーンイノベーション戦略推進会議ワーキンググループ(NEDO):https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/green_innovation/pdf/002_04_01.pdf
コメント