モビリティ/ファシリティでのエネルギ源の選択肢

技術

カーボンニュートラル社会の実現に向けてエネルギ源は,多様化が進み定番化していた化石燃料以外からの選択が必要な機運です.本ページでは,モビリティおよびファシリティでのエネルギ源の主な選択肢を説明します.

脱炭素化に向けて,モビリティおよびファシリティのパワーソースは,エネルギの調達性,搭載性,経済性など,様々な因子の総合的合理性で選択されますが,使用するエネルギのエネルギ密度とCO2排出係数を把握して,CO2排出量を見積もる必要があります.

エネルギ低位発熱量(真発熱量)CO2排出係数
MJ/kgkg-CO2/MJ
電気0.128
電気(グリーン)0
ガソリン44.90.071
A重油43.30.073
軽油43.30.072
DME28.80.066
BDF39.80.076
LPG(プロパン)46.40.065
LNG49.10.055
13A49.00.055
メタン50.00.055
水素(グリーン)1200
アンモニア(グリーン)18.60

ここで,電気のCO2排出係数は,我が国の2018年度小売電気事業者全国平均値ベースのCO2排出係数0.462 kg-CO2/kWhを単位換算した値です.電気(グリーン)は,再生可能エネルギ由来の電気を表しており,水素(グリーン),アンモニア(グリーン)も同様です.なお,グリーンのほかには,製造方法の違いでブルー,グレーなどが定義されています.

・ブルー:化石燃料由来の一次エネルギを原資とするものの,発生するGHG(Greenhouse Gas)を回収し,大気中への排出をゼロとしている二次エネルギ

・グレー:化石燃料由来の一次エネルギを原資とする二次エネルギ

なお,BDFは,植物油を原資とし,植物の生育過程で大気中のCO2を吸収しているため,上表のようにCO2排出係数はゼロではないものの実質はCO2排出ゼロ,すなわちカーボンニュートラルなエネルギ源になりえると考えられています.

【参考文献】電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価結果について(環境省):タイトル (env.go.jp)

【参考文献】燃料定数(日本自動車研究所):☐ 文献の整理 (jari.or.jp)

【参考文献】小池誠ほか,水素エネルギキャリアとしてのアンモニアとレシプロエンジン燃焼への適用,日本燃焼学会誌,Vol.58,No.184 (2016):_pdf (jst.go.jp)

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